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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻2号

2001年02月発行

文献概要

特集 重症急性膵炎の診療Now

厚生省の診断基準からみた膵炎重症化の評価

著者: 上野富雄1 松岡功治1 岡正朗1

所属機関: 1山口大学医学部先端分子応用医科学講座消化器・腫瘍外科学

ページ範囲:P.169 - P.176

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 急性膵炎は“重症”になると日本では医療費給付対象疾患となるため,それを判定する基準として1990年の「厚生省の診断基準」が一般的に用いられている.診断基準項目は日本での全国調査によって集計された急性膵炎症例の致死例をもとにretrospectiveに選別されたものであり,予後や入院時重症度を概ね反映している.この診断基準とSIRS因子,加齢因子を加えた重症度スコアは経時的な重症度評価や初期治療の効果判定には有用である.他方,診断基準は重症化をきたす要因までは反映しておらず,重症化を予知するまでには不十分であり,今後の課題と言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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