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臨床研究
内視鏡摘除後に追加腸切除を必要とした大腸sm癌症例の検討
著者: 澤井照光1 辻孝1 地引政晃1 山口広之1 中越享1 綾部公懿1
所属機関: 1長崎大学医学部第1外科
ページ範囲:P.241 - P.244
文献購入ページに移動大腸内視鏡による検診によって欧米では無症状である中高年者の半数近くに大腸腺腫が発見されるという報告がみられる1〜3).このことは食生活の欧米化により大腸癌罹患者が増加している本邦においても重要な知見である.大腸の腫瘍性病変に対する内視鏡摘除は現在広く一般化した診断的治療法であるが,摘除後の組織学的検索によって初めてsm癌と診断される場合もある4).
内視鏡摘除後にリンパ節転移のリスクが高いsm癌と判断された場合は追加腸切除の適応となるが,他医より紹介された追加腸切除例は本来の病変に関する術前診断を担当する外科医自身の目で行っていないこと,プレパラートを取り寄せることは可能でも摘除された標本をどのように取り扱ったか正確には不明であること,といった問題点がある.その結果,初回治療の妥当性を正しく評価することができず,手術適応の決定に術者がほとんど関与していないという特殊な状況下におかれる.これらのことから,追加腸切除例に関する検討は適切な内視鏡摘除を行っていく上で重要であり,手術を担当する外科医は関連施設で行われている内視鏡摘除の現状を把握するとともに,追加腸切除の結果をフィードバックしていく必要があると考えられる.
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