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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻3号

2001年03月発行

文献概要

特集 総胆管結石治療の最前線—手技と周辺機器の進歩 内視鏡的アプローチ

PTGBD

著者: 大里浩樹1 植田俊夫2 後藤邦人1 濱直樹1 石飛真人1 尾田一之1 相原智彦1 菅和臣1 福永睦1 今本治彦1 冨田尚裕1 山崎恵司1 高塚雄一1

所属機関: 1関西労災病院外科 2西武庫病院外科

ページ範囲:P.321 - P.325

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 経皮経肝胆道鏡のルートは,通常,肝内胆管よりアプローチされるが,胆道結石症例においても黄疸発症例はさほど多くなく,胆道非拡張例ではこのアプローチ自体が困難となることもある.今回,筆者らは13例の手術不適応症例に対して胆嚢ドレナージルートを用いて,経皮経肝経胆嚢管胆道内視鏡下に総胆管結石の切石術を施行した.
 手技は以下の手順で行う.①エコー下に胆嚢ドレナージを施行,②透視下および内視鏡下に胆嚢管を経由してガイドワイヤーを総胆管内に挿入,③ダイレーターにより胆嚢管を16Frまで拡張することにより胆道鏡のルートを確保,④ガイドワイヤーをガイドに胆道鏡を総胆管内に進め,切石を行う.この方法により胆嚢内および肝内胆管までの切石術が可能である.
 自験例は,総胆管結石個数は1〜3個,平均2.4個であった.切石完了までに要した期間は15〜106日(37.9+23.2日)であった.平均観察期間は70か月であるが,現在まで結石再発は認めていない.経皮経肝経胆嚢管胆道鏡下切石術は比較的低侵襲な治療手段であり,治療成績も他の治療法と比較しても遜色ないものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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