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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻4号

2001年04月発行

文献概要

外科医に必要な脳神経外科common diseaseの知識・9

眼窩骨折—頭蓋内気腫,眼窩眼瞼気腫,ブローアウト骨折

著者: 魏秀復1

所属機関: 1馬場記念病院脳神経外科

ページ範囲:P.516 - P.519

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概念
 頭部外傷,顔面外傷に伴っての眼窩骨折はありふれたものである.眼窩は上下内外の四面の壁によって構成されていて四角錐に似ている.眼窩上壁(=前頭蓋底)骨折は前頭骨々折,前頭洞骨折に合併し,頭蓋内気腫や髄液鼻漏をきたすことがある.眼窩内側壁(=篩骨,篩板)骨折,眼窩下壁(=上顎洞上壁)骨折は眼窩内結合織や外眼筋が脱出して複視を併発することがある.また内側壁骨折には眼窩内気腫や眼瞼気腫をきたすことがある.眼窩内に眼動脈圧を越えて多量の空気が侵入するような眼窩内気腫は虚血により速やかに失明に至る軽視できない合併症がある.下壁骨折には眼窩下壁とそれに接する薄い板状の眼窩骨膜が破れ,その割れ目から眼球支持組織が下方の上顎洞内に脱出することがあり,眼球上転障害や複視を呈し「ブローアウト(blow-out)骨折」という名で有名である.下壁すべてが抜けることもある.眼窩外側壁骨折は多くの場合頭蓋骨々折に合併して起こることが多く,単独の骨折は骨の強固さから稀である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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