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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻4号

2001年04月発行

文献概要

臨床報告・1

大動脈解離による腹腔動脈閉塞に伴う胃・脾・膵体尾部梗塞の1例

著者: 中村貴成1 柴田高1 藤田淳也1 北田昌之1 島野高志1 高見元敞1

所属機関: 1市立豊中病院外科

ページ範囲:P.553 - P.556

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はじめに
 解離性大動脈瘤の進行により解離腔が腹腔内主要動脈の起始部を巻き込み,これらの血流障害から臓器循環障害・虚血性腸炎・腸管壊死などに陥ることが報告されている1,2).解離性大動脈瘤では解離腔から出ている動脈分枝はreentryがない限り血流が維持されず,支配臓器の虚血や壊死を引き起こすためと考えられる.大動脈解離に腸管の虚血・壊死を合併する頻度は約5%で,その死亡率は80%を超えると報告されている1,2)
 今回筆者らは胸部大動脈瘤人工血管置換術後に大動脈解離の進行により腹腔動脈が閉塞し,胃・脾・膵体尾部梗塞をきたした症例を経験し,診断に苦慮しながらも緊急手術にて救命しえたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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