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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 家族性腫瘍—診断と治療の現況

多発性内分泌腫瘍(MEN)

著者: 亀山香織1 菅重尚2 高見博2

所属機関: 1慶應義塾大学病院病理診断部 2帝京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.623 - P.627

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 多発性内分泌腫瘍症(multiple endocrine neoplasia:MEN)は2腺以上の内分泌腺に特定の組み合わせで,同時にあるいは異時性に腫瘍が発生する疾患であり,その腫瘍の組み合わせでMEN1型と2型に分類され,いずれも常染色体優性遺伝の遺伝形式をとる.発生する腫瘍によりさまざまな症状を引き起こすが,腫瘍が小型で多発するという共通の特徴を有している.近年,これらの原因遺伝子が同定され,この分野の研究は急速な勢いで進んでいる.
 MEN 1型の原因遺伝子は11番染色体長腕上に位置し,10個のエクソンを含み610個のアミノ酸からなる蛋白(menin)をコードしている癌抑制遺伝子である.一方,MEN 2型は10番染色体長腕上にあるRET proto-oncogeneの点突然変異が原因である.こうした遺伝子の検査により保因者を早期に発見し,少しでも早く治療を開始することが望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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