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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 家族性腫瘍—診断と治療の現況

家族性大腸腺腫症(FAP)の遺伝子診断と治療

著者: 権藤延久1

所属機関: 1兵庫医科大学第2外科

ページ範囲:P.645 - P.649

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 家族性大腸腺腫症(FAP)では,APC遺伝子による遺伝子診断が実用化されている.遺伝子検査法としては,APC遺伝子とその変異の特徴からprotein truncation test(PTT)が標準的に用いられている.FAPの遺伝子診断は,臨床的に診断のついたFAP患者からAPC遺伝子検査で変異が検出された場合,その血縁者において同じ変異の有無を遺伝子検査で確認することにより行われる.遺伝子診断は大腸検査の反復や不確実性の不安から保因可能者を解放するという患者利益を医学的に提供できるが,それがそれぞれの対象者にどういった意義を持つのかはさまざまである.適切なカウンセリングを前提として,当事者による自己決定により実施の選択がされなけばならない.FAPの治療においてもこのことは同様である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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