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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻5号

2001年05月発行

特集 家族性腫瘍—診断と治療の現況

遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)の遺伝子診断と治療

著者: 中原雅浩1 岡島正純1 浅原利正1

所属機関: 1広島大学医学部第2外科

ページ範囲:P.651 - P.657

文献概要

 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)は常染色体優性遺伝形式をとり,若年に発症し,大腸多発癌および他臓器重複癌を高率に認める診療上重要な疾患である.しかし,現行の診断基準は家系内の大腸癌患者数に負うところが大きく正確に診断されているとはいえない.最近,HNPCCの原因遺伝子がDNAミスマッチ修復(MMR)遺伝子であると証明され,腫瘍部においてmicrosatelliteinstability(MSI)を高頻度に認めることが明らかとなり,その分子生物学的特徴をHNPCCの診断および治療法の選択に利用することが試みられている.MSIはHNPCCのより正確な診断に有用であり,MMR遺伝子解析はHNPCCの発症前診断の可能性を示唆している.治療法はいまだ統一された見解はみられないが,MSIおよびMMR遺伝子異常よりHNPCCと確診されれば大腸亜全摘術も考慮されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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