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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻5号

2001年05月発行

文献概要

Expert Lecture for Clinician

進行結腸癌に対する吊り上げ式ハンドアシスト腹腔鏡下腸切除(HALS)

著者: 亀山雅男1 畠山勝義2

所属機関: 1大阪府立成人病センター第1外科 2新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.687 - P.693

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 今回発表させていただくハンドアシスト腹腔鏡下腸切除は一般に“HALS”と呼ばれていますが,この手術をやり始めたのは,実は1999年の4月からです.まだそれほど時間が経っていませんので,問題点も幾つかあると思いますし,それを1つ1つ解決しながら現在に至っています.その経緯も含めてご紹介したいと思います.
 元来,癌の外科治療には根治性と機能温存という一見相反する2つのファクターがあります.生存率が低い食道癌とか膵臓癌といったものは,未だに拡大郭清をして生存率を上げる方向で頑張っています.ところが,ある程度根治性が上がってくると,手術のリスクもあり,機能障害という問題が起こってきますので,肝臓癌や肺癌の場合には縮小手術という流れが出てくるわけです.胃癌の場合は,sentinel nodeを駆使して分節切除などの縮小手術を行っています.さらに,乳癌とか大腸癌の場合は手術成績が良好ですし,美容上の問題も考慮に入れた治療を行っています(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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