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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻6号

2001年06月発行

文献概要

カラーグラフ 正しい外科切除標本の取り扱い方・3

迅速凍結切片作製法

著者: 小坂健夫1

所属機関: 1金沢医科大学一般・消化器外科

ページ範囲:P.733 - P.736

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目的
 術中の所見が術前診断と異なったときや,あるいは術中に新しく病変が発見されたときなどに,手術が適切に行われているかを判断する補助として迅速凍結切片(frozen section,以下,FS)が用いられることがある.FSの目的には大きく分けて以下の4つの場合が考えられる1)
 (1)手術的に切除された組織が,炎症性か腫瘍性か,腫瘍性ならばそれが良性か悪性か診断する.
 (2)腫瘍の切除に際して,摘出された標本の切除断端に腫瘍がないか,また腫瘍から断端までの組織学的な距離を診断する.
 (3)正常組織構成の異常増加や欠損などを診断する.たとえばHirschsprung病における神経節の有無,あるいは慢性偽性腸閉塞症におけるmyo-fibroblastsの過増殖などの有無を診断する.
 (4)本来の手術中のFSとはいえないが,各種の抗原を保存する目的で用いられてもいる.ホルマリン固定により抗原の多くがマスクされ,免疫組織学的手法の妨げになっていることはよく知られている2).凍結切片法では抗原が良好に保存されるため,ホルマリン固定標本に対するアンマスキングの手法が不要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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