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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻7号

2001年07月発行

特集 肝良性疾患—鑑別診断と治療法選択のupdate

肝膿瘍—アメーバ性肝膿瘍

著者: 廣安俊吾1 武藤良弘1

所属機関: 1琉球大学医学部第1外科

ページ範囲:P.913 - P.917

文献概要

 アメーバ性肝膿瘍は赤痢アメーバ(E.histolytica)の経口感染により,経門脈的に肝に達して膿瘍を形成した状態である.性別は圧倒的に男性に多く,海外渡航者,同性愛者,梅毒反応陽性がリスクファクターとされ,近年ではHIV感染との関連も問題となっている.熱発,右上腹部痛を認め,ときに右胸部症状を認める.膿瘍は典型的にはアンチョビペースト状で,無臭である.治療はメトロニダゾールを第一選択とし,必要に応じてドレナージを施行する.適切に対処されれば予後は比較的良好である.近年,分子生物学の発展に伴って新しい血清学的診断法が開発され,アメーバ症の根絶を目指したワクチン療法の確立が期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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