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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻7号

2001年07月発行

臨床報告・1

イレウスを契機として診断された進行びまん浸潤型胃癌大腸転移の1例

著者: 川﨑浩之13 佐々木一晃1 高坂一1 仲川尚明2 矢花剛2 平田公一3 近藤信夫4

所属機関: 1道都病院外科 2道都病院内科 3札幌医科大学医学部第1外科 4札幌病理学研究所

ページ範囲:P.987 - P.991

文献概要

はじめに
 進行したびまん浸潤型胃癌(Ⅳ型胃癌)は今日では上部消化管内視鏡検査(GIF)で容易に診断されるものである.本疾患は腹膜播種やリンパ節転移を高頻度1)に認め,腹部腫瘤や腹水を合併することも多い.しかし,肉眼的に腹膜播種や腹水または他臓器転移所見を認めない状態において大腸転移のみが明らかとなって診断されることはまれである2).とくに転移巣の症状を主訴に発症した症例は報告されていない3)
 今回,腹痛,大腸イレウスで発症し腹部単純X線,注腸造影,腹部CT検査などで大腸癌イレウスと診断し,イレウス管による治療を行った.そのため上部消化管検査が不十分となり,手術中に腹膜播種を認めないⅣ型胃癌による大腸転移との診断に至った1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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