icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻8号

2001年08月発行

文献概要

特集 閉塞性黄疸の診療手順 病態からみた診療手順

総胆管結石による閉塞性黄疸の診療

著者: 塚田一博1 貫井裕次1 津田祐子1 坂東正1

所属機関: 1富山医科薬科大学第2外科

ページ範囲:P.1071 - P.1074

文献購入ページに移動
 総胆管結石の中で閉塞性黄疸をきたすものは不顕性黄疸を含めると63%に認められた.結石による閉塞性黄疸は自然に軽快することもあるが,ほとんどの場合胆道感染症を伴っている.胆石の嵌頓をきたしていることもあり,急性閉塞性化膿性胆管炎を併発すると重篤であり,速やかな減圧減黄処置が必要である.減黄方法では経皮経肝胆道ドレナージのほか最近では内視鏡的胆道ドレナージが広く行われている.総胆管結石の治療は結石の除去であるという考えに従い,十二指腸乳頭機能をできるだけ温存する方法が一般的となりつつあり,根治治療としての胆道付加手術の適応は限定されてきている.とくに閉塞性黄疸の有無でこの治療方針が左右されることは少ない.乳頭拡張術などでの胆管結石の除去が可能であった場合,残った胆嚢胆石に対しては腹腔鏡的胆嚢摘出術が適応される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?