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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻8号

2001年08月発行

文献概要

特集 閉塞性黄疸の診療手順 術後黄疸遷延例への対策

術後黄疸遷延例に対する薬物療法

著者: 伊佐地秀司1 田岡大樹1 横井一1 川原田嘉文1

所属機関: 1三重大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1075 - P.1081

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 閉塞性黄疸症例では黄疸による肝障害や胆管炎,外胆汁瘻造設による腸肝循環の欠如など術前因子も重なり,術後黄疸の病態は複雑で,さらに肝切除例では肝細胞性黄疸の因子も加わり,黄疸の成因を明確にすることは困難なことが多い.本稿では,術後黄疸の鑑別診断と黄疸遷延因子やその予測について簡単に触れ,ついで閉塞性黄疽症例における術後黄疸遷延例(肝内胆汁うっ滞症)の対策と薬物療法につき概説し,特に胆汁分泌動態やBT制御の観点からUDCAと排泄自家胆汁再投与の有用性を指摘した.術後の肝内胆汁うっ滞症に対しては未だ確立されて薬物療法がなく,今後多数例での検討が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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