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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻8号

2001年08月発行

文献概要

特集 閉塞性黄疸の診療手順 術後黄疸遷延例への対策

術後黄疸遷延例に対する血液浄化法

著者: 吉田雅博1 高田忠敬1 安田秀喜1 天野穂高1

所属機関: 1帝京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1083 - P.1087

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 術後黄疸遷延の原因には,①減黄術によって血中ビリルビンは正常化しても,閉塞性黄疸の状態で低下した肝組織血流量,肝エネルギーチャージは十分回復しているとは限らないこと,②手術侵襲による高ビリルビン血症,③感染,bacterial translocation(エンドトキシン)による直接的な肝細胞傷害があげられる.血液浄化法の適応としてはAKBRに代表されるエネルギー代謝状態,プロトロンビン活性にみられる蛋白合成能,ビリルビン,アンモニアなどの物質除去能,肝性昏睡,細網内皮系機能としてのエンドトキシン除去能,総ビリルビン値などを指標とする.人工肝補助療法としては持続血漿交換と持続血液濾過透析が有用とされている.今後,肝移植へのbridge useあるいは肝移植の周術期管理においても重要な役割を担うこととなると期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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