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私の工夫—手術・処置・手順
胃管瘻造設時の工夫
著者: 渡部脩1 岩瀬博之1
所属機関: 1江東病院外科
ページ範囲:P.1090 - P.1091
文献購入ページに移動 食道癌の手術侵襲は大きく,開胸操作もあり,経鼻胃管に誘発されて肺合併症を起こすことはしばしば経験される.また縫合不全の管理のための減圧効果,栄養補給のための経腸栄養のためにも,われわれは空腸瘻のひとつである胃管瘻を積極的に加味している.しかしその造設にもいろいろな合併症はある.Gerndtら1)は523例の食道疾患の手術にWitzel型腸瘻を造設して,11例(2.1%)の合併症を報告している.なかでも癒着,捻転によるイレウスが5例と最多であった.腸瘻造設の部位はTreitz靱帯から肛門側にGerndtら1)は15cm,Trotterら2)は20〜40cmを推奨し,Mc-Gonigalら4)は腸瘻部分での癒着や捻転を防ぐには1footが適当と記している.また腹腔内での固定に関しては腸瘻部分の口側と肛門側に2針ずつ腸を腹膜に縫合するとの記載がみられるのみである3).そのような状態ではTreitz靱帯から腸瘻までの間隙に腸が陥凹し,内ヘルニアを生じたり,捻転を起こすこともある.われわれはこれらの合併症を防ぐためには,Treitz靱帯から腸瘻までの距離をなるべく短くして,たるみを少なくするには25cmが最も適切であると考えているが,癒着や手術時の状況によってはより長くなることもある.
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