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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻9号

2001年09月発行

特集 外科と消毒と感染予防

院内感染と日和見感染

著者: 内山和久1 山上裕機1 谷村弘2

所属機関: 1和歌山県立医科大学第2外科 2和歌山労災病院

ページ範囲:P.1169 - P.1177

文献概要

 現在の院内感染症はcompromised hostに対する多剤耐性菌による日和見感染が多い.つまり過大侵襲術後や大量輸血,癌に対する放射線療法,抗癌剤やステロイド投与後,糖尿病や黄疸,低栄養,透析患者などによる感染防御能の低下が誘因となる.さらに物理的な皮膚・粘膜バリアーの破綻,抗菌薬多用による正常細菌叢の乱れ,顆粒球減少,体液性・細胞性免疫能の低下のいずれかが存在すると感染が成立する.
 外科領域の院内感染起炎菌としては,MRSA,多剤耐性緑膿菌,腸球菌(VREを含む)がとくに問題で,医療従事者はその感染を媒介しないように,また自ら結核やHBV,HCV感染に罹患しないように注意する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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