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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻10号

2002年10月発行

文献概要

特集 内視鏡下手術の現状と問題点

内視鏡下胃癌手術の現状と問題点

著者: 安田一弘1 白石憲男1 安達洋佑1 北野正剛1

所属機関: 1大分医科大学第1外科

ページ範囲:P.1361 - P.1364

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 胃癌に対する腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)の現時点での適応と評価および合併症からみた手技上の注意点についてまとめた.現在,LADGで安全に行えるリンパ節郭清範囲はD1+αであり,根治性を保つためにはリンパ節転移がないか,あっても胃周囲にとどまる早期癌が適応となる.LADGは開腹術と比較すると出血量が少なく,疼痛・炎症反応が軽度であるため回復が早く,術後在院日数が少ないなどの利点がある.さらにアンケート結果を見ると術後の嚥下困難・胸焼け・体重減少が少なく,他人に勧める手術として評価されている.また,手技の確立に伴い術中・術後合併症も大きく減少している.その中で吻合部の狭窄や通過障害の頻度が開腹術に比べるとやや高く,小開腹創からの再建に注意を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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