icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻10号

2002年10月発行

特集 内視鏡下手術の現状と問題点

腹腔鏡下胆嚢摘出術の現状と問題点

著者: 小田斉1 中村光成1 植木敏幸1 佐田正之1

所属機関: 1佐田厚生会佐田病院外科

ページ範囲:P.1371 - P.1375

文献概要

 過去11年間に当院で腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下,LC)を3,164例経験した.開腹手術を必要とする他臓器疾患が同時に存在しなければ原則としてすべての胆石症に対してLCを試みている.開腹移行率3.4%,手術時間54±37分,術後在院日数9.2±8.8日であった.Day surgeryを46例に実施し,37例が日帰りできた.急性胆嚢炎268例と上腹部開腹既往119例のLC困難例では開腹移行率が20%以上と高率で手術時間,術後在院日数も有意に延長した.合併症は胆管損傷13例(胆管完全切断6例,胆管部分損傷7例),開腹移行を要した出血5例,大腸損傷1例,術後胆汁漏8例でmorbidity 0.82%,mortality 0%であった.合併症のほとんどは急性胆嚢炎などLC困難例に発生した.LCは胆嚢疾患に対する低侵襲な標準術式として急速に普及したが,一方では常に危険をはらんだ手技であることを忘れてはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら