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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科57巻12号

2002年11月発行

雑誌目次

特集 肛門疾患手術のup to date

経皮的粘膜下痔核手術

著者: 松田直樹

ページ範囲:P.1471 - P.1479

 痔核手術の理想は肛門周囲の皮膚や肛門上皮,そして肛門管粘膜を傷つけずに病変部の痔核組織のみを切除することといわれている.当院では1998年にその理想に近い手術を考案した.それは超音波メス(ハーモニックスカルペル・フック型メス®)で肛門周囲皮膚に小さな穴を開け,粘膜下より痔核組織に達して選択的に凝固・切除するものである.そのため肛門管粘膜や肛門上皮にはまったく触れず,出血もなくごく短時間での手術が可能となった.この手術は術後の痛みも軽度で合併症もきわめて少なく,肛門機能の低下も少ないものと思われる.これは超音波メス出現ではじめて可能となった新しい手術法である.

自動縫合器を用いた痔核手術(PPH)

著者: 辻仲康伸 ,   浜畑幸弘 ,   松尾恵五

ページ範囲:P.1481 - P.1487

 痔核脱出症状の成因から肛門クッションの滑脱説を根拠としてLongo法(PPH)が誕生した.PPHはエチコン社HCS33®自動縫合器を用いた下部直腸環状切除術であり,肛門クッションが吊り上げ固定されることで痔核症状が消失する.PPHは術後疼痛が有意に小さく,早く回復する利点がある.臨床的に頻度が高いⅢ度の内外痔核13.3%およびⅢ度内痔核の38%がPPHの対象であった.外痔核の著明な症例ではPPH単独で治療し得ず,同時的切除を行えば従来法と同等な術後経過となる.
 手技のうえでは肛門拡張器の無理な挿入を避け,タバコ縫合をていねいに行うことが重要であるが,一定の手技にもかかわらず粘膜切除の幅や歯状線からの吻合部の距離は一定ではなく,臨床成績も異なる可能性がある.術後早期の出血率は3%であり,直腸腟瘻などの合併症も考慮すると,十分に熟達した術者が症例を選んで行うことが重要である.

内痔核に対する閉鎖・半閉鎖術式

著者: 松田保秀 ,   川上和彦 ,   木村浩三 ,   浅野道雄 ,   金子寛 ,   三枝直人 ,   青山浩幸 ,   青山敦子 ,   野中雅彦 ,   友近浩

ページ範囲:P.1489 - P.1496

 痔核の手術に対して閉鎖・半閉鎖術式が世界的に広く行われている.ところがここにきて,HaasやThomsonの提唱していた痔核組織以外の支持組織(cushion)が,肛門閉鎖に重要な役割をしていることが再認識され,痔核の結紮切除術においても,この結合織や筋線維を含む支持組織を可及的に残しながら,痔核組織だけを切除することが求められている.
 筆者らの痔核手術のコンセプトは痔核の根治性はもとより,術後の形態,外観に配慮したanalplastic surgeryというべきものであった.最近の閉鎖式結紮切除術はさらに局所解剖的繊細さが必要である.当院の閉鎖・半閉鎖法の治療成績からすれば,半閉鎖法が優れているように思える.

痔核に対するDay surgery

著者: 東光邦 ,   草間香

ページ範囲:P.1497 - P.1502

 痔疾患のday surgeryは広く行われるようになってきた.従来は入院で行われていた痔核手術も,条件が整えば外来での手術で十分に行うことができる.術前のインフォームドコンセントを十分に行い,仙骨硬膜外麻酔下に結紮切除術を行い,さらにICG併用半導体レーザー,輪ゴム結紮術の併用などで手術侵襲を軽減することができる.術後の合併症の頻度も従来の入院手術での場合と変わりなく,安全に行うことができる.

坐骨直腸窩痔瘻に対する筋肉充填術式

著者: 佐原力三郎

ページ範囲:P.1503 - P.1509

 坐骨直腸窩痔瘻は複雑痔瘻の中では比較的頻度の高い痔瘻である.MRIや肛門管超音波検査による診断も広く行われてきているが,触診による正確な診断が要求される.原発口,原発巣を確定し確実に処理することが痔瘻根治手術の大前提であり,それに加えて肛門への侵襲,とくに括約筋へのダメージが少なくかつ治癒期間の短い手術法が最良である.肛門管内と瘻管側とを遮断することを目的とした筋肉充填術式は適応を守ればそれらの要求にかなう術式であり,坐骨直腸窩痔瘻に対する第一選択としての術式と考えられた.手術手技の実際について詳述した.

痔瘻に対するSeton法

著者: 坂田寛人

ページ範囲:P.1511 - P.1522

 当院で行っているseton法を紹介する.従来二次口より瘻管を経て一次口にひもを通し外で結紮する方法が取られているが,盲目的に行うと複雑な走向の痔瘻では原発巣からはずれ,病変を後方に遺残して再発を生じることがある.当院ではより確実な方法として,外側より瘻管切開あるいは瘻管切除を行い,術中貫通口を確認し,同部より一次口へsetonを通して結紮し,ひもは考案したビーズの止め具で固定し,その後ドレナージまたは切断を行う瘻管切開(coring out)+seton法を行っている.さらに原発巣のドレナージを図るため,seton挿入前処置として瘻管内腔の掻爬,ブラッシングおよびcryptotomyによる内括約筋の部分切開および自家性薬線の一時的使用を行った.過去5年間に457例の痔瘻に行い,96.6%の一期的治癒を得た.

痔瘻に対するDay surgery

著者: 渡邉賢治

ページ範囲:P.1523 - P.1529

 社会的,経済的観点や患者サイドからのニーズもあり,day surgeryが最近注目されている.Day surgeryとしての痔瘻根治術を評価するために,痔核根治術と次のような観点から比較検討した.その結果,①術後の疼痛や排便時の疼痛が比較的軽度であること(p=0.0004,p<0.0001),②排便時痛の消失期間が短いこと(p<0.0001),③術後出血に関しては早期出血の頻度が比較的高く,早期出血の管理を行うことで対処可能であった.
 以上より,痔瘻根治術のday surgeryは十分に可能であると考える.患者のアンケートを踏まえ,当院で行っているday sugeryについて,①麻酔方法,②術前・術後の管理,③術後疼痛への対処法なども含めながら紹介する.

裂肛に対する手術—ESG法

著者: 早川一博

ページ範囲:P.1531 - P.1535

 SSG(sliding skin graft)法は,LSIS(lateral subcutaneous internal sphincterotomy)で治癒させることができない肛門狭窄を伴う重度の慢性裂肛に対して,現在最も標準的に施行されている術式の一つである.しかし,SSG法には括約筋切離によるincontinenceや瘢痕形成,異常知覚の残存などの術後後遺症も少数ながら存在する.これらの問題に対処し,さらに創治癒期間の短縮を目指してSSG法の皮膚弁に工夫を加えたSSG変法であるESG(extended skin graft)法を考案し,多くの先生方の追試を受け,現在に至っている.現在,行われているESG法と臨床的意義について説明する.

カラーグラフ 正しい外科切除標本の取り扱い方・20

甲状腺の切除標本の取り扱い方

著者: 三村孝 ,   藤沢俊道 ,   亀山香識

ページ範囲:P.1461 - P.1468

はじめに
 甲状腺腫瘍の手術において,重要なのは術中の所見である.腫瘍の大きさ,浸潤の有無,リンパ節転移の部位,程度などは手術の予後を左右する大きな因子である.これらの所見を正確に把握したうえで,適切な手術方法を選択することが必要である.また術中,腫瘍の割面の性状を観察することも重要である.術前診断と異なった知見が得られることが少なくない.わが国では甲状腺外科研究会により甲状腺悪性腫瘍全国登録が行われている.「甲状腺癌取扱い規約」1)には,切除標本の取り扱い方法とともに,登録に必要な記載事項が記されている.詳細な解説論文もある2).筆者らもこれらに準じて切除標本を取り扱っている.

病院めぐり

新潟県立がんセンター新潟病院外科

著者: 佐藤信昭

ページ範囲:P.1536 - P.1536

 当院は,遠くに2002FIFAワールドカップサッカー大会の日本での最初の試合(カメルーン対アイルランド戦)が開催されたサッカー場新潟スタジアム“ビッグスワン”を望み,信濃川沿いに立つ県立のがんセンターである.昭和25(1950)年に県立新潟病院として創設された.新潟県が全国にさきがけて昭和33年にがん対策推進委員会を設置し検討した結果,がんの診断と治療の総合センターとして翌36年1月に県立がんセンター新潟病院が発足した.昭和62年5月新築移転し,現在に至る.
 外科は田中乙雄副院長,佐野宗明臨床部長,梨本篤外科部長を中心にスタッフ7名の他,新潟大学第一外科,富山医科薬科大学第二外科,東京女子医大第二病院外科,岡山大学第一外科からの出張医,レジデントの計12名で診療を行っている.臓器別主治医制を取り入れ,食道癌は田中乙雄,胃癌は梨本篤,藪崎裕,肝胆膵癌は土屋嘉昭,乳癌は佐野宗明,佐藤信昭,結腸直腸癌は瀧井康公が担当している.術前・術後症例検討会を毎週火,金曜日の朝に行う他に,4科合同消化器検討会,MMK(乳癌)検討会など内科,放射線科,病理部と毎月カンファレンスを行い,連携を密にしながら診療を進めている.また,中国黒竜江省の研修生や国内の病院からの手術,診療見学も受け入れ,意見の交換を活発に行っている.

労働福祉事業団富山労災病院外科

著者: 松木伸夫

ページ範囲:P.1537 - P.1537

 蜃気楼と埋没林,ミステリアスな街,魚津にある富山労災病院は労災患者さんだけの病院ではありません.“一期一会”と“鬼手仏心”を座右の名として癌の診断と治療に必死にとりくんでいる外科があります.しかしこの富山労災病院は,1958(昭和33)年に当時工事中の有峰ダム,および黒四ダムの難工事で労働災害が多発したことから,その救助活動の拠点として労働福祉事業団がこの地,魚津に開設したものです.現在では14科300床を有する当地域の中核病院へと発展してきました.
 当科は,日本外科学会,日本消化器外科学会,日本消化器病学会の認定施設であり,金沢大学第二外科から派遣された多くの医師が研修に励んできました.その中心となって20数年にわたり在職されたのが島弘三先生です.残念ながら1998(平成10)年3月をもって外科部長を辞職され,2001年1月ご逝去されました.島先生は大学より派遣された多くの若い外科医を熱心に指導され,外科の原点を説きつづけてこられました.冒頭に述べた当外科の座右の名である“一期一会”と“鬼手仏心”も先生の教えです.

文学漫歩

—エドガー・アラン・ポー(著)・佐々木直次郎(訳)—『黄金虫』(1951年,新潮社 刊)

著者: 山中英治

ページ範囲:P.1538 - P.1538

 今年もパシフィコ横浜での学会に参加する機会があった.御世辞にも使い勝手が良いとは言えない東京国際フォーラムよりも,この港の見える会場での学会は快適である.『よこはま・たそがれ』『ブルーライト・ヨコハマ』『伊勢佐木町ブルース』『ふりむけばヨコハマ』『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』.やはり港町は風情があって良い.
 会場前の臨港パークも景色が良いし,「ぷかり桟橋」からシーバスに乗れば,異国情緒漂う山下公園まで海路ですぐで潮風も心地よい.港に停泊するかつての豪華客船「氷川丸」の舳先でタイタニックのポーズをとってから,公園をメリケン波止場のほうに向かうと「赤い靴はいてた女の子の像」が遠い異国を見つめている.

忘れえぬ人びと【最終回】

異時性多重癌

著者: 榊原宣

ページ範囲:P.1539 - P.1539

 1991年は1年を通じて,正確に外来に現れ,体重の増減を気にするぐらいで,3か月毎の検査でも異常はなかった.
 明けて1992年1月8日,定期診察でめまいを訴えたが,重篤な障害はないとのことだった.この症状は以後生涯を通じて訴えることになった.4月6日,消化管X線検査,腹部超音波検査でも異常所見はみられなかった.1993年5月26日,めまい症状が強くなり,嘔吐があるとのことで脳転移を疑い入院検査となった.しかし,脳転移は否定された.この年も暮れが近づいた12月22日,来診時にはこれまでになく上機嫌で調子がよいとのことだった.高齢者が大きな侵襲を受けた後,回復するには若年者よりはるかに長い月日が必要であることを思い知らされた.

目で見る外科標準術式・35

粘液産生膵腫瘍(IPMT)に対する脾温存膵体尾部切除術

著者: 木村理 ,   布施明 ,   平井一郎 ,   神賀正博

ページ範囲:P.1541 - P.1548

はじめに
 膵の縮小手術としての「脾動静脈および脾臓を温存した膵体尾部切除術」は着実な広がりをみせている.この術式は小児の膵外傷に対しては行われていたものの,成人における膵の腫瘍性病変や慢性膵炎に対しては行われていなかった.筆者らの報告1〜3)以来,すでに慢性膵炎に対しては筆者らの推奨したコツに従って手術を成功裏に施行したという報告がみられる4,5).またIPMTに対しても症例を選んで行われるようになってきている6)

ここまで来た癌免疫療法・8

「ミニ移植」の臨床展開

著者: 山本要 ,   別宮好文 ,   田原秀晃

ページ範囲:P.1549 - P.1553

リード
 近年多くの施設で同種造血幹細胞移植が行われるようになり,とくにミニ移植については移植関連合併症が少ないことなどから,造血器腫瘍に加え固形腫瘍に対する癌治療法の一つとして注目されている.ミニ移植とはどのような治療法なのか,その概要と治療の現状について紹介したい.

米国でのProbiem-Based Learning形式による外科研修

Problem-Based Conference(13)—患者・家族とのコミュニケーション:胆道系手術と合併症(その1)

著者: 町淳二 ,   児島邦明

ページ範囲:P.1555 - P.1568

1 はじめに
 日常の診療に際して,どのような疾患の診断や治療においても,患者さんとその家族とのコミュニケーションの重要性は,改めて述べるまでもないでしょう.患者さんとその家族に十分な説明を行い,理解と協力を得てはじめてよい診療,そして患者さんに満足してもらえる診療が行えます.そこで今回のproblem-based conferenceでは,患者さんとその家族とのコミュニケーションに焦点を当てながら,そのために知っておかなくてはならないポイントや問題点についてディスカッションします.ことに外科では,手術に関連して術前・術後に,患者さんとその家族への適切な説明が必要です.今回は,一般外科手術のなかでも最も頻繁に行われる胆道系手術,すなわち胆嚢摘出術をテーマとして,その合併症を取り上げながら,患者さんとその家族とのコミュニケーションについて考えてみたいと思います.
 手術にかかわる患者さんとその家族とのコミュニケーションには,

臨床研究

腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した黄色肉芽腫性胆嚢炎症例の検討

著者: 權雅憲 ,   松井陽一 ,   柳本泰明 ,   兼松清果 ,   上山泰男 ,   植村芳子

ページ範囲:P.1569 - P.1573

はじめに
 黄色肉芽腫性胆嚢炎(xanthogranulomatouscholecystitis,以下,XGC)は結石の嵌頓などによりRokitansky-Aschoff sinus(RAS)から胆嚢壁内に進入した胆汁を組織球が貪食し,ついで褐色色素を有するxanthoma cellよりなる肉芽腫が形成され,異物性炎症,線維化へと進展する疾患である1,2).XGCは特異な組織像や病変の進展様式により胆嚢癌との鑑別が困難で,術中や術後の組織検査で診断されることが多い3).近年,腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下,LC)は良性胆嚢疾患に対する標準術式になってきており,当科ではその適応を拡大してきた.今回,筆者らはXGC症例に対するLCの成績を検討した.

臨床報告・1

骨融解顕著な骨褐色腫で発見された原発性副甲状腺機能亢進症の3例

著者: 沖田充司 ,   佐野由文 ,   土井原博義 ,   清水信義 ,   濱崎周次

ページ範囲:P.1575 - P.1579

はじめに
 原発性副甲状腺機能亢進症(PHP)は,従来,線維性骨炎や骨褐色腫などの骨病変が特徴とされてきたが,検査技術の向上で早期発見が可能となり,骨病変を主体としたPHPの頻度は減少しつつある.
 当科において1990〜1999年の10年間に副甲状腺手術を24例経験し,そのうちPHPが22例(うちMENIが3例),二次性が1例,非機能性副甲状腺嚢腫が1例であった.とくにPHPについては,臨床病型分類では生化学型(不顕性型)が12例(54.5%),腎結石型7例(31.8%),骨型3例(13.6%)であった.その発見動機においては,無症状・スクリーニングが7例(31.8%)と最も多く,続いて筋神経症状4例(18.2%),腎病変4例(18.2%)で,MEN3例(13.6%),骨病変3例(13.6%),消化器症状1例(4.5%)となっていた.

Press Through Package(PTP)誤飲による回腸穿孔性腹膜炎の1例

著者: 小浜和貴 ,   石崎守彦 ,   木内俊一郎 ,   滝吉郎 ,   高林有道

ページ範囲:P.1581 - P.1583

はじめに
 Press through package(以下,PTP)は,錠剤およびカプセルなどを包装するために1960年代から使用され,現在本邦で広く用いられている.それにともない,これの誤飲による消化管異物の報告例も増加しているが,多くは食道異物であり,下部消化管にまで到達して消化管穿孔を引き起こすことはまれである1).今回筆者らは,興味あるCT所見を呈した,痴呆性老人のPTP誤飲による回腸穿孔性腹膜炎の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

いぼ状びらん様所見を呈した乳癌胃転移の1例

著者: 中村貴成 ,   塚原康生 ,   柴田高 ,   北田昌之 ,   島野高志 ,   花田正人

ページ範囲:P.1585 - P.1590

はじめに
 乳癌の遠隔転移は大部分が骨・肺・肝であり,消化管転移の頻度は少ない1).今回筆者らは胃転移・腹膜転移・卵巣転移をきたしたが長期生存中の異時性両側乳癌の1例を経験したので,本邦15例の乳癌胃転移症例の文献的考察を加えて報告する.

臨床報告・2

心肺蘇生術による胃破裂の1例

著者: 真鍋靖 ,   吉岡一夫 ,   柳田淳二

ページ範囲:P.1591 - P.1593

はじめに
 心肺蘇生術の合併症として,肋骨骨折,胸骨骨折が知られているが,胃破裂の報告はまれで,大槻ら6)によれば本邦での報告は8例のみである.今回筆者らは,食物による気道閉塞により呼吸停止をきたし,搬送までの心肺蘇生術により胃破裂をきたした1症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

サクシニルコリンの関与が考えられる横紋筋融解症の1例

著者: 越湖進 ,   小窪正樹 ,   佐藤一博

ページ範囲:P.1595 - P.1597

はじめに
 今回筆者らは全身麻酔に使用したサクシニルコリンが関与したと考えられる横紋筋融解症の1例を経験したので報告する.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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