文献詳細
文献概要
忘れえぬ人びと【最終回】
異時性多重癌
著者: 榊原宣1
所属機関: 1十全会心臓病センター榊原病院
ページ範囲:P.1539 - P.1539
文献購入ページに移動 1991年は1年を通じて,正確に外来に現れ,体重の増減を気にするぐらいで,3か月毎の検査でも異常はなかった.
明けて1992年1月8日,定期診察でめまいを訴えたが,重篤な障害はないとのことだった.この症状は以後生涯を通じて訴えることになった.4月6日,消化管X線検査,腹部超音波検査でも異常所見はみられなかった.1993年5月26日,めまい症状が強くなり,嘔吐があるとのことで脳転移を疑い入院検査となった.しかし,脳転移は否定された.この年も暮れが近づいた12月22日,来診時にはこれまでになく上機嫌で調子がよいとのことだった.高齢者が大きな侵襲を受けた後,回復するには若年者よりはるかに長い月日が必要であることを思い知らされた.
明けて1992年1月8日,定期診察でめまいを訴えたが,重篤な障害はないとのことだった.この症状は以後生涯を通じて訴えることになった.4月6日,消化管X線検査,腹部超音波検査でも異常所見はみられなかった.1993年5月26日,めまい症状が強くなり,嘔吐があるとのことで脳転移を疑い入院検査となった.しかし,脳転移は否定された.この年も暮れが近づいた12月22日,来診時にはこれまでになく上機嫌で調子がよいとのことだった.高齢者が大きな侵襲を受けた後,回復するには若年者よりはるかに長い月日が必要であることを思い知らされた.
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