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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻13号

2002年12月発行

特集 胃癌治療ガイドラインの検証

迷走神経温存胃切除術は術後のQOLを向上させるか?

著者: 二村浩史1 高山澄夫1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学外科

ページ範囲:P.1651 - P.1655

文献概要

 幽門側胃切除では迷走神経を温存することで術後下痢の発生を有意に予防でき,BMIからみた体重減少を有意に抑えることができた.しかし,食事摂取,就労状況,気持といった患者の満足度の面からはQOLが有意に向上したとは言えなかった.術後胆石症の発生は単に神経を残すだけでは予防できない.神経温存幽門保存胃切除症例に胆石の発生を認めなかったことから,術後胆石予防には迷走神経肝枝・腹腔枝に加えて幽門枝や幽門輪の機能温存がかかわっていると考えられた.QOLの向上が明確にされるまでは適応はD1+αでよい症例に限るべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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