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海外および本邦における肝臓移植の現状と将来
著者: 新田耕作1 原田俊英2 石崎文子3 松本昌泰2 正田守1
所属機関: 1敬愛クリニック 2広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻病態探究医科学講座脳神経内科学(第3内科) 3広島県立保健福祉大学
ページ範囲:P.1675 - P.1683
文献概要
現在ではドナーからの肝臓の摘出手技,その保存方法,術後の免疫抑制剤,術後管理の向上などから,本邦の脳死肝臓移植においても17例中14例が生存中である.世界的に見ても年間約8,000例の脳死肝臓移植が行われ,その6割4,800人は手術後5年間生存している1).末期肝不全の患者,脳死の患者が5年間生存する可能性はまず0%であることを考えると,脳死肝臓移植が治療法の一選択肢として確立してきていると思われる.しかしながら,約4割3,200人の方は脳死肝臓移植を行っても手術後5年間生存しなかったことを考えると,Starzl TEがまだ脳死肝臓移植の成績に満足せず向上を求めている理由が理解できる2).
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