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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻13号

2002年12月発行

臨床研究

中心静脈カテーテル挿入時の心電図モニター法による先端位置判定基準

著者: 浅井俊哉1 山東勤弥1 李都相1 光田伸行1 清水義之1 曺英樹1 岡田正1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科生体統合医学小児発達医学(小児外科)講座

ページ範囲:P.1701 - P.1706

文献概要

はじめに
 中心静脈カテーテル(central venous catheter:以下,CVC)挿入時の問題点および合併症にCVC先端の挿入時位置異常がある1〜3).CVCの先端は上半身からの挿入の場合,上大静脈内の右心房流入部手前に位置するのが適切とされている.しかし,CVC先端が上大静脈内にまで進まず,内頸静脈や反対側の鎖骨下静脈などに誤挿入(mislodg-ing)されることがある.このような状態で高濃度糖液を注入すると,静脈炎,血栓形成,輸液剤の血管外漏出(extravasation of fluids)などの合併症を引き起こす危険があり,カテーテルの再挿入が必要となる1〜4)
 Mislodgingの発生頻度を減少させる方法の1つとして,CVC挿入時に心電図モニターを用いる方法(以下,本法)がWilsonら5)によって試みられた.この方法は具体的には図1に示したように,生理的食塩水などの電解質溶液で内腔を満たしたCVCを電極付きアダプター(以下,アダプター)を介して,心電図モニターと接続して心電図測定を行う.CVC先端部が上大静脈から右心房に近づくにつれ心電図のP波が増高し,さらに洞房結節を越えると2相性のP波となる.このP波の波形変化からCVCがmislodgingしていないかどうかの判断ができる6〜8)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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