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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻2号

2002年02月発行

特集 食道癌治療におけるcontroversy

胸部食道癌に対する胸腔鏡下食道切除術の利点と問題点

著者: 大杉治司1 竹村雅至1 木下博明1

所属機関: 1大阪市立大学大学院消化器外科

ページ範囲:P.173 - P.176

文献概要

 当科では胸腔鏡下食道切除術の適応を術前の胸部X線写真やCT像などで強度の胸膜癒着がない,左右肺分離換気で麻酔維持が可能,術前診断で深達度がT1b〜T3である症例としており,低肺機能の症例には適応していない.また5cmの小開胸を併用し,この創部から筆者らが独自に作製した気管鉤を挿入し,気管を腹側に圧排することにより気管左側を展開し,左反回神経周囲のリンパ節郭清を行っている.本手術の利点として術後の呼吸機能の回復が早いことや胸部創が小さく,疼痛が少なく,美容上有利であることがあげられるが,根治性と手術侵襲の面からみると従来の右開胸下の術式と同程度である.本術式が標準術式の1つとして広く認められるためには,リンパ節郭清とくに気管左側を含む頸胸境界部の郭清が従来の術式と同様に行えていることが必要条件である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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