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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科57巻3号

2002年03月発行

雑誌目次

特集 乳癌:初回治療の標準化

乳癌手術療法(温存療法)の完成度

著者: 石田孝宣 ,   大内憲明

ページ範囲:P.283 - P.288

 乳房温存療法は精神的,美容的な長所をはじめとして,患者のQOLを高める優れた治療法である.当科においても乳房温存療法を治療法の選択肢の1つとしてから11年が経過したが,その治療方法は少しずつ変化してきている.本稿では,当科における温存療法の適応,画像診断法,術式,照射基準などの変遷を供覧し,現在の温存療法に対する工夫とその完成度,および今後の問題点を考察する.さらに,温存療法が真の意味で乳癌の標準術式になるための基礎となる日本人におけるevidenceの共有と,多くの施設で可能な診断,治療体系を確立する必要性について概説する.

わが国の放射線治療併用の乳房温存療法

著者: 大住省三

ページ範囲:P.289 - P.295

 早期乳癌に対する乳房温存療法は日本でも標準的治療法の一つとして定着してきた.しかし,その際の治療内容は決して均一なものではなく,その標準化をめざして,日本乳癌学会学術委員会から乳房温存療法ガイドラインが出された.その中で,乳房温存療法とは放射線照射を併用するものをよぶことが明示された.その内容に従った放射線併用の乳房温存療法の治療結果としての5年での乳房内再発率は,国立病院四国がんセンターの場合で3%,厚生労働省がん研究助成金坂元班の参加施設での調査では3.7%と,欧米のデータと比較しても良好なものであった.乳房温存療法を行う場合,上記のガイドラインに従って照射を併用して行うことが望まれる.

乳房温存療法の個別化:非照射法など

著者: 清水忠夫 ,   芳賀駿介 ,   今村洋 ,   渡辺修 ,   木下淳 ,   梶原哲郎

ページ範囲:P.297 - P.302

 放射線照射の併用が乳房内再発率を低下させることは明らかであるが,最近,放射線照射を必要としない患者を適切に選択し治療法の個別化を推し進める傾向がみられる.患者の心理的負担の軽減,放射線照射の障害回避,治療期間と治療費の軽減など,そのbenefitはきわめて大きい.選択基準としては年齢,腫瘍径,リンパ節転移,リンパ管侵襲,nuclear grade,EICなどの因子で検討されているが,コンセンサスは得られていない.非照射温存治療が照射併用温存療法と遜色ない成績を残せるかどうかのキーポイントは,本治療に適した患者subsetの選択基準,正確な病理診断と確実な切除,放射線照射の代わりとなるような適切な術後補助療法などについて明らかにすることと考える.

温存術式における断端チェック:標準法と工夫

著者: 市原周 ,   鈴木啓仁 ,   林裕樹 ,   嵩眞佐子 ,   佐藤康幸 ,   青山英昭 ,   大岩幹直 ,   加納祐士 ,   遠藤登喜子

ページ範囲:P.303 - P.312

 乳癌の管内進展は,線維脂肪組織の中に埋没した樹枝状の乳管系の基底膜に覆われた空間内に生じる.乳腺の断端チェックは,この特殊な解剖学的特徴を念頭に置いたものでなくてはならない.現在知られている断端チェック法は,断端面を横切るように切るもの(bread loaf method,radial method)と断端面に平行に削ぐように切るもの(shaving method)がある.最近筆者らが開発したpancake methodとpolygon methodは,後者を発展させたものである.これは全割スライス法と同様以上の精度を保ちながらブロック数を減少させることができるほか,陽性部位をピンポイントで指摘できるという特徴をもつ.

Probe lumpectomyとDay surgery

著者: 日馬幹弘 ,   中山俊 ,   海瀬博史 ,   青木達哉 ,   小柳泰久

ページ範囲:P.313 - P.319

 Probe lumpectomyとは,癌と診断された症例に対して外来局所麻酔下で乳房円状切除を行い,病理情報を得て,乳房温存手術の適否や腋窩郭清の要否を決定する方法であり,検査と治療の両要素をもつものである.これに対しday surgeryとは日帰りあるいは24時間以内に退院する乳癌手術を指し,全身麻酔下に通常手術を1泊入院で行うものと局所麻酔下で低侵襲手術を外来で行うという方法がある.本邦では,通常局所麻酔下の早期乳癌を対象としたcurative surgeryを意味している.従来,円状切除に腋窩予防照射を加えて行われてきたが,現在では,SLNBを組み合わせることで,n0症例における入院・全身麻酔下での腋窩郭清に匹敵する情報収集が可能となり,daysurgeryの意義が確立された.

腋窩リンパ節郭清と非郭清:センチネルリンパ節生検からみた腋窩温存の可能性

著者: 井本滋 ,   海老原敏 ,   長谷部孝裕 ,   森山紀之

ページ範囲:P.321 - P.324

 乳癌の標準的外科治療である腋窩リンパ節郭清が変わろうとしている.センチネルリンパ節生検の目的は二つある.リンパ節転移陰性乳癌の患者に対する低侵襲手術の実現と,微小リンパ節転移の検出による正確な病期診断である.欧米では,腋窩リンパ節郭清とセンチネルリンパ節生検を比較した臨床試験が進行中である.一方,早期乳癌を対象としたセンチネルリンパ節生検のみの腋窩温存が,すでに実地医療として広く行われている.当センターでは200例のバックアップ郭清を伴うセンチネルリンパ節生検を試みた後,組織学的転移陰性のセンチネルリンパ節症例では腋窩温存を行っている.センチネルリンパ節生検からみた腋窩温存の可能性を検討した.

腋窩リンパ節少数転移例における最適な郭清

著者: 菅重尚 ,   池田正

ページ範囲:P.325 - P.329

 近年ではセンチネルリンパ節生検による腋窩リンパ節郭清の省略に代表される機能的側面での縮小化が盛んに議論されている.腋窩リンパ節郭清は予後を改善しないと結論づける無作為比較試験の結果は多い.したがって,腋窩リンパ節転移のない症例では腋窩郭清が不要であることは論をまたないが,予後因子としてのリンパ節転移の有無は他のいかなる予後因子よりも信頼度が高く,その転移個数によって予後が層別化されており,術後補助療法も転移個数によってstrategyが異なってくる.本稿では術前および術中腋窩リンパ節転移の評価と術前あるいは術中に少数の腋窩リンパ節転移が疑われる症例に対する至適腋窩リンパ節郭清術について述べる.

腋窩リンパ節多数転移例における最適な郭清

著者: 田口哲也 ,   野口眞三郎

ページ範囲:P.331 - P.334

 腋窩リンパ節および胸骨傍リンパ節郭清の生命予後に対する寄与はほとんどないことが大規模な無作為比較試験により証明されている.一方,腋窩リンパ節郭清には局所コントロールと予後の予測という重要な役割がある.よってLevel ⅠとⅡをまず郭清して,術中に転移がみつかればLevel Ⅲまで郭清を広げればよい.多数の腋窩リンパ節転移を伴う症例では,領域リンパ節(胸骨傍や鎖骨上)に転移を伴いやすいとはいっても徹底郭清の生存に対する利点はないので,むしろ大規模な無作為比較試験の結果を踏まえて,乳房切除後に胸壁と領域リンパ節への放射線照射を行い,生命予後を向上させるといった方針が推奨される.センチネルリンパ節生検が登場し,その精度の高さが確立されてきたので,今後はセンチネルリンパ節に転移陽性の場合,Level Ⅲまで郭清するという方針が普及すると思われる.

術前化学療法と手術術式

著者: 明石—田中定子

ページ範囲:P.335 - P.339

 術前化学療法は術後補助療法と比較し,生存率の向上を示す明らかな証拠は現時点では示されていないが,腫瘍径の大きな乳癌にも乳房温存療法の可能性を広げ,薬剤感受性試験としての役割も果たすという2つの意義が挙げられる.また病理学的CRを得た症例ではそれ以外の症例と比べて良好な予後を示す.AC,CEFといったアンスラサイクリンを含んだレジメンが使用されることが多いが,より高い奏効率を目指してアンスラサイクリン系とタキサン系薬剤との併用も検討されている.腫瘍縮小後乳房温存療法を行う際には,遺残範囲の注意深い検討が必要であり,CT,MRIといったより解像度の高い画像診断の併用が有用である.

閉経前症例の標準的な術後補助療法

著者: 木村盛彦

ページ範囲:P.341 - P.349

 閉経前乳癌の術後補助療法の選択肢はovarian ablation,TAM(タモキシフェン),多剤併用化学療法である.具体的には,ホルモンレセプター状況を考慮しての治療法の組み合わせがポイントとなる.すなわちER(エストロゲンレセプター)あるいはPgR(プロゲステロンレセプター)が陽性であれば内分泌療法あるいは内分泌・化学療法が,ER,PgRがともに陰性では化学療法が適応となる.内分泌療法はLH-RHアゴニストによるovarian ablation,TAMが標準的なベースである.化学療法の選択肢としては,CMFよりアンスラサイクリンを含むレジメンが優位性を示すとして,CEF,CAFなどが標準的とされ推奨されている.

閉経後症例の標準的な術後補助療法

著者: 園尾博司

ページ範囲:P.351 - P.359

 現在,術後補助療法はガイドライン(St.Gallen 2001)に従って行うのが一般的である.閉経後症例においては,ER陽性あるいはPgR陽性例ではTAM(+化学療法),ER陰性かつPgR陰性例では化学療法が用いられる.最近では化学療法はCMFに代わってCAF(AC)が標準的治療法となりつつある.また,AC後paclitaxel(タキソールR:TXL)はACより良好な健存率,生存率を示すので,今後リンパ節転移陽性例の標準的治療法になり得る.さらにAC後TXLにtrastuzumab(ハーセプチン®)を併用する臨床試験の意義が検討されている.70歳以上の高齢者では推奨できる治療法は確立されていない.

初回治療における放射線治療法の役割

著者: 築山巌 ,   片野進

ページ範囲:P.361 - P.365

 乳癌に対する放射線治療の役割は大きく,乳房温存療法の一環としての照射,進行乳癌に対する乳房切除術後の予防照射,局所再発に対する照射,遠隔転移に対する照射などさまざまな病態に用いられる.これらの照射は単独または内分泌療法,化学療法との併用で用いられる.
 放射線治療はおのおのの病態に応じて照射方法,線量などが異なる.ここでは各病態に対する初回治療としての放射線治療について文献的考察および放射線治療の具体的方法,その意義について概説した.放射線治療の技術的進歩は著しく,内科,外科との協力によってますますその乳癌の集学的治療に果たす役割は重要となるであろう.

カラーグラフ 正しい外科切除標本の取り扱い方・12

大腸の切除標本の取り扱い方

著者: 正木忠彦 ,   松岡弘芳 ,   泉里友文 ,   徳原真 ,   佐々木秀雄 ,   下位洋史 ,   阿部展次 ,   杉山政則 ,   跡見裕

ページ範囲:P.275 - P.280

はじめに
 切除標本の正確な病理診断は,悪性腫瘍に対する手術の根治度の評価,追加治療方針の決定および患者に対する適切なインフォームドコンセントを行うために不可欠なものである.また大腸に限っていうとすれば,近年わが国において増加している大腸早期癌や潰瘍性大腸炎の長期経過症例に合併するdysplasia・癌の組織発生の解明という学問的見地からも重要といえる.
 切除標本の取り扱い方の基本的な心構えや手順については,すでに本誌において徳原ら1)(本誌第56巻第4号),風間ら2)(本誌第56巻第8号)により詳細に述べられている.そこで本稿においては,筆者らの施設における大腸切除標本の取り扱い手順をより具体的に紹介することとする.

目で見る外科標準術式・27

前・後区域肝切除術

著者: 佐野圭二 ,   幕内雅敏

ページ範囲:P.367 - P.372

はじめに
 前・後区域切除術のポイントは肝門処理による区域同定と肝静脈の露出を伴う肝離断である1).すなわち右肝切除術と同じ手順を踏むが,肝門処理をより末梢で行う点,前区域切除術では離断面が複雑である点でさらに高度な技術を要する.

病院めぐり

健康保険南海病院外科

著者: 森本章生

ページ範囲:P.374 - P.374

 健康保険南海病院は,海の幸・山の幸に恵まれた九州は大分県南の地,佐伯市にあります.県南の天然の良港は戦前軍港として栄え,その海軍の下士官兵集会所がおかれていた土地および建物を昭和22年10月に厚生省が買収し,大分県国民健康保険団体連合会に経営を委託し健康保険南海病院は発足しました.当初は,内科,外科,産婦人科,歯科の4科の診療科で病床数21床でしたが,昭和33年9月より全国社会保険協会連合会(全社連)に経営委託され,病床数244床の総合病院として今日に至っております.
 全社連は,健康保険,厚生年金保険およびその他社会保険事業の円滑な運営を促進し,あわせて被保険者および被扶養者の福祉の増進をはかるとともに社会保険制度の確立に寄与することを目的として厚生大臣の許可を得て設立された公益法人であり,全国で53病院,4診療所が所属しています.診療科は,内科,外科,小児科,整形外科,心臓血管外科,脳神経外科,産婦人科,泌尿器科,眼科,耳鼻咽喉科,麻酔科,放射線科,皮膚科の13科です.現在の南海病院の建物は昭和52年に完成し,以後平成2年人工透析センター,平成4年健康管理センターが完成し,平成12年介護老人保健施設“サンビュー南海”の開設と徐々に拡張しています.

国家公務員共済組合連合会斗南病院外科

著者: 金子行宏

ページ範囲:P.375 - P.375

 斗南(となん)病院の前身は,昭和26年に21床で開設された札幌共済病院でした.当時の所在地はススキノの歓楽街のなかであり,また既存の建物の応急転用により不都合不便が多かったため,昭和36年に道庁の南に隣接する北1条西6丁目の現在地に移転新築され斗南病院と改称,初代病院長に北海道大学医学部第2外科奥田義正教授を迎え207床を有する総合病院として整備されました.斗南の名前の由来は国家公務員共済組合連合会編の五十年史によると,『奥田病院長が命名.「斗」は北斗星を指し,斗南とは北斗七星より南,転じて宇宙を指す(南を制す)の意味である.』とあります.
 入院部門は開院直後から満床状態を続け,外来部門も狭隘をきたしていたことから昭和47年8月に新館が竣工し301床に増床し,さらに昭和60年には現在の355床となりました.

忘れえぬ人びと

試験開腹

著者: 榊原宣

ページ範囲:P.376 - P.376

 この歳になると,医師国家試験に合格して間もない若い諸君から,
 「先生,これまでに受持医,あるいは主治医として担当された患者さんで忘れえぬ人はどんな方ですか.」

文学漫歩

—川端康成(著)—『雪国』(1947年,新潮社 刊)

著者: 山中英治

ページ範囲:P.377 - P.377

 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった.夜の底が白くなった.
 書き出しの見事さでは,この「雪国」の冒頭に優るものはないと思う.さすがにノーベル賞選考委員もお目が高い.「夜の底が白い」とは詩歌のような表現だが,「みだれ髪」や「サラダ記念日」には見られない男性的な視野であると思う.

外科医に必要な皮膚科common diseaseの知識・10

薬疹

著者: 河内繁雄

ページ範囲:P.378 - P.379

疾患の概念
 薬疹とは治療や検査の目的で体内に投与された薬剤ないしはその代謝産物によって誘導される皮膚および粘膜の発疹をいう.抗癌剤による薬疹のように薬剤の持つ薬理作用そのものに基づいて生じる非アレルギー性の薬疹もあるが,多くはアレルギー性の機序によって生じる.後者には主に薬剤特異的IgE抗体により蕁麻疹やアナフィラキシーショックを呈する即時型アレルギー性の薬疹と,感作リンパ球によって生じる細胞性免疫の関与した薬疹とがある.あらゆる薬剤が薬疹の原因になるが,頻度の高い薬剤は抗生物質,消炎鎮痛剤’循環器用剤,抗痙攣剤・抗精神薬である.ここではアレルギー性の薬疹について述べる.

米国でのProblem-Based Learning形式による外科研修

Problem-Based Conference(5)—救急でのプライオリティーのおき方:上部消化管出血(その1)

著者: 町淳二 ,   児島邦明

ページ範囲:P.381 - P.393

1 はじめに
 前回のカンファレンスでは,上腹部痛をテーマに,問題点に焦点を絞った診断についてディスカッションしました.その際,病歴と理学所見をとる上での問題点に対する焦点の絞り方を強調しましたが,そのなかでまず病態の救急性,すなわち緊急な処置を要するものか否かを判別することの重要性を述べました.今回のproblem-basedconferenceでは,消化管出血をテーマに“救急(emergency)でのプライオリティー(priority)のおき方”についてディスカッションします.ここでいうプライオリティーとは,ことに救急において患者さんの状態を素早く把握し,その病態から診断・治療上,何が最初に行われるべき事柄かを判断し,患者さんを救うために順序立てて処置を行っていくということです.
 救急症例に対処する上での重要な点は,以下の4点です.

臨床研究

腹腔鏡下胆嚢摘出術におけるボイスコントロールロボットの有用性

著者: 菅原弘光 ,   岡田信一郎 ,   田名場善明 ,   里見進

ページ範囲:P.395 - P.398

はじめに
 内視鏡下手術は低侵襲性が一般に認められ,近年盛んに施行されるようになった1).一方,開腹手術と異なり鏡視下手術における視野の確保は助手が内視鏡操作を行うため,術者にとって間接的,授動的なものとなった.
 1996年,音声制御ロボット(ボイスコントロールロボット)が開発され,腹腔鏡下手術において,有効性が報告されている2,3).当科では1998年12月からボイスコントロールロボットを腹腔鏡下胆嚢摘出術に導入し,2001年3月までに21例を経験した.筆者らの調べた範囲では,本邦におけるボイスコントロールロボットを用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術の手術成績を検討した報告例は少ない3).そこで今回筆者らは,当科において施行したボイスコントロールロボットを用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術と従来の腹腔鏡下胆嚢摘出術の臨床成績を比較検討し報告する.

臨床報告・1

膵頭神経叢領域に発生し画像上充実性腫瘤像を呈した神経鞘腫の1例

著者: 宗岡克樹 ,   白井良夫 ,   松尾仁之 ,   生天目信之 ,   畠山勝義

ページ範囲:P.399 - P.402

はじめに
 神経鞘腫はSchwann細胞由来とされる良性腫瘍であり1),体幹や四肢に好発する.膵頭周囲の後腹膜に発生する神経鞘腫はまれであり,その多くは嚢胞形成を示すため腫瘍性膵嚢胞や膵のsolid and cystic tumorとの鑑別が重要となる2).今回,CT検査にて膵周囲の後腹膜に偶然発見され,膵鉤部原発腫瘍との鑑別が困難であった充実性神経鞘腫の1例を経験したので報告する.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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