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特集 乳癌:初回治療の標準化
術前化学療法と手術術式
著者: 明石—田中定子1
所属機関: 1国立がんセンター中央病院乳腺外科
ページ範囲:P.335 - P.339
文献購入ページに移動 術前化学療法は術後補助療法と比較し,生存率の向上を示す明らかな証拠は現時点では示されていないが,腫瘍径の大きな乳癌にも乳房温存療法の可能性を広げ,薬剤感受性試験としての役割も果たすという2つの意義が挙げられる.また病理学的CRを得た症例ではそれ以外の症例と比べて良好な予後を示す.AC,CEFといったアンスラサイクリンを含んだレジメンが使用されることが多いが,より高い奏効率を目指してアンスラサイクリン系とタキサン系薬剤との併用も検討されている.腫瘍縮小後乳房温存療法を行う際には,遺残範囲の注意深い検討が必要であり,CT,MRIといったより解像度の高い画像診断の併用が有用である.
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