文献詳細
特集 消化器外科における機能検査
文献概要
X線不透過マーカーによる消化管移送能検査は,①X線撮影装置を備えた病医院であればどこでも行うことができ,②患者に身体的な苦痛を与えず,③測定結果を視覚的に容易に判別し評価することが可能で,④食道を除くほぼすべての消化管の移送能を同時に調べることができる,などの多くの利点を備えている.しかし,非消化性のマーカーの胃排出動態は同時に摂取した試験食の胃排出動態とは明らかに乖離することから,その結果の判読にはマーカーの排出が意味するところを理解した上で臨む必要がある.マーカー法は下部消化管の移送能評価に最も威力を発揮するが,簡便に行えるスクリーニング的な胃排出能検査としても臨床的に有用であり,術後胃の運動能評価にも応用可能と考えられた.
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