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ここまで来た癌免疫療法・1【新連載】
このシリーズを始めるにあたって
著者: 田原秀晃1
所属機関: 1東京大学医科学研究所先端医療研究センター外科・臓器細胞工学
ページ範囲:P.475 - P.479
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癌免疫療法への関心が,最近とくに高まっている.これは腫瘍抗原が発見されたこと,生体の免疫制御にかかわる物質が同定されたこと,そしてそれを用いて免疫をさまざまな方向に修飾できる免疫担当細胞の機能解析と培養法が確立されたことなど,最近の基礎免疫学の急速な進歩がその背景にある.ところが,培養レベルや動物実験レベルでは有望な結果が報告されている方法であっても,その臨床応用がどの段階にあるのか,そしてその効果がどこまで科学的に証明されているのかに関しての情報を網羅的にかつ迅速に得ることは難しい.そこでこのシリーズは,この分野を専門としない先生方を主な読者として想定して,実際の臨床業務に有用な最新情報を提供し,かつその過程で最近の基礎免疫学の進歩に関しても紹介するものとして企画された.
今回は,このシリーズの第1回として,これまでの癌免疫療法の歴史の一端に触れ,このシリーズ全体に流れる基本的な考え方を示し,またその具体的あらましについて紹介する.
癌免疫療法への関心が,最近とくに高まっている.これは腫瘍抗原が発見されたこと,生体の免疫制御にかかわる物質が同定されたこと,そしてそれを用いて免疫をさまざまな方向に修飾できる免疫担当細胞の機能解析と培養法が確立されたことなど,最近の基礎免疫学の急速な進歩がその背景にある.ところが,培養レベルや動物実験レベルでは有望な結果が報告されている方法であっても,その臨床応用がどの段階にあるのか,そしてその効果がどこまで科学的に証明されているのかに関しての情報を網羅的にかつ迅速に得ることは難しい.そこでこのシリーズは,この分野を専門としない先生方を主な読者として想定して,実際の臨床業務に有用な最新情報を提供し,かつその過程で最近の基礎免疫学の進歩に関しても紹介するものとして企画された.
今回は,このシリーズの第1回として,これまでの癌免疫療法の歴史の一端に触れ,このシリーズ全体に流れる基本的な考え方を示し,またその具体的あらましについて紹介する.
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