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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻5号

2002年05月発行

文献概要

特集 肝切除術のコツ 手術

左肝静脈の剥離のコツ

著者: 浅原利正1 板本敏行1

所属機関: 1広島大学医学部第2外科

ページ範囲:P.621 - P.622

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はじめに
 肝切除における左肝静脈へのアプローチには,①肝離断前に,中・左肝静脈共通幹あるいは左肝静脈を肝外で剥離,テーピング,②肝離断の最終段階において左肝静脈を肝実質内で剥離,テーピング,の2通りがある.
 左肝静脈は,中肝静脈と共通幹を形成するか,または単独で下大静脈に流入する.この中・左肝静脈合流部の形態は,Nakamuraら1)によって5型に分類されている.中・左肝静脈が共通幹を形成して下大静脈に流入するⅠ〜Ⅳ型は84%にみられる.I型は下大静脈から1cm以内に分岐を持たないもの,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ型はそれぞれ1cm以内に2,3,4分岐するものである。中肝静脈と左肝静脈が独立して下大静脈に流入するⅤ型は16%にみられる.これら5型はさらにいくつかの亜型に分類され,その分岐形態は多様であることをまず認識しておくべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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