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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻5号

2002年05月発行

文献概要

特集 肝切除術のコツ 手術

肝切離にstay sutureは有効か

著者: 三宅秀則1 藤井正彦1 佐々木克哉1 高木敏秀1 田代征記1

所属機関: 1徳島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.647 - P.649

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はじめに
 肝切除は技術,器械の進歩により,最近10年間に飛躍的に進歩し,安全に行えるようになり一般的な外科的手技の一つとなった.しかしながら,肝門部でのグリソン一括処理1)や,系統的切除のため術中超音波下に支配門脈を穿刺・色素注入による切除区域同定2)などに代表されるように,工夫の余地も残されている領域でもある.
 筆者らの施設でも,①肝切離時に肝表面近くはハーモニックスカルペルを用い出血の抑制と時間の短縮を図る,②尾状葉合併肝葉切除時には残肝愛護の目的で尾状葉のIVCからの剥離は切除側からのみのアプローチで行う3,4),③肝切離に超音波メス以外に,水滴滴下型のバイポーラー(MalisBipolar)を用いるなど積極的に新しい手技を導入し,意義が認められる場合には継続して行い,肝切離をより安全かつ確実に行うよう心がけている.肝切離時の肝表面のstay sutureに関しては,簡単な手技であり他施設でもごく普通に採用されているとは思われるが,それについて述べている文献は見あたらない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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