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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻6号

2002年06月発行

特集 エビデンスから見直す癌術後患者のフォローアップ

乳癌患者の術後フォローアップ

著者: 岩田広治1 三浦重人1

所属機関: 1愛知県がんセンター乳腺外科

ページ範囲:P.745 - P.750

文献概要

 乳癌術後フォローアップの口的は,1)患者の精神的・社会的サポート,2)自施設の正確な再発率・生存率を出すこと,3)再発の早期発見の3点が挙げられる.しかしエビデンスで検証すると,再発の早期発見が生存期間の延長につながってはいない.当然,intensive follow up(3か月毎の腫瘍マーカー,6か月毎の胸部X線,1年毎の骨シンチ,肝臓超音波など)にもエビデンスはなく,欧米のガイドラインでは推奨できない検査として定義されている.現時点で術後フォローアップの仕方を考えた時,日本に質の高いエビデンスがない以上,1998年に出されたASCOのガイドラインを参照すべきであろう,しかし保険制度や国民性なども考慮した日本独自のフォローアップの仕方があっても良いはずであり,現在ガイドライン作りが進行中である.さらに今後は作成されたガイドラインを用い,日本でも質の高いエビデンスを作る努力が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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