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特集 エビデンスから見直す癌術後患者のフォローアップ
文献概要
再発のリスクファクターおよび再発例の治療成績から胆道癌術後フォローアップの意義を検討した.胆管癌切除例はリンパ節転移陽性例がリンパ節転移陰性例に比べ有意に術後再発および肝転移が高率であり,リンパ節転移陽性例は術後肝転移の高危険群と考えられる.再発例に対する転移部位毎の成績では,単発性肝転移症例で再発切除後長期無再発生存例を経験し,術後外来での定期的なフォローアップが有効な場合があると考えられた.抗癌剤感受性試験の結果,多剤併用では5—FU+ADM+MMCおよび5—FU+ADM+CDDPが感受性が高かったが,臨床例での奏効率は低かった.化学療法の適応となるリンパ節再発例などでは定期フォローアップの意義は明らかでないと思われる.胆道癌においては延命やQOL向上に寄与する手術療法以外の有効な治療法の確立が急務であると考えられる.
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