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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻6号

2002年06月発行

特集 エビデンスから見直す癌術後患者のフォローアップ

胆道癌患者の術後フォローアップ

著者: 佐々木亮孝1 斎藤和好1

所属機関: 1岩手医科大学医学部第1外科

ページ範囲:P.777 - P.780

文献概要

 再発のリスクファクターおよび再発例の治療成績から胆道癌術後フォローアップの意義を検討した.胆管癌切除例はリンパ節転移陽性例がリンパ節転移陰性例に比べ有意に術後再発および肝転移が高率であり,リンパ節転移陽性例は術後肝転移の高危険群と考えられる.再発例に対する転移部位毎の成績では,単発性肝転移症例で再発切除後長期無再発生存例を経験し,術後外来での定期的なフォローアップが有効な場合があると考えられた.抗癌剤感受性試験の結果,多剤併用では5—FU+ADM+MMCおよび5—FU+ADM+CDDPが感受性が高かったが,臨床例での奏効率は低かった.化学療法の適応となるリンパ節再発例などでは定期フォローアップの意義は明らかでないと思われる.胆道癌においては延命やQOL向上に寄与する手術療法以外の有効な治療法の確立が急務であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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