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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻7号

2002年07月発行

文献概要

特集 外科診療とステロイド療法

肝切除後における各種サイトカインの変動とステロイド投与

著者: 北原賢二1 松山悟1 森倫人1 眞方紳一郎1 神谷尚彦1 阪本雄一郎1 宮崎耕治1

所属機関: 1佐賀医科大学一般・消化器外科

ページ範囲:P.915 - P.919

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 肝切除術後に起こり得る感染などの合併症には炎症性サイトカイン,抗炎症性サイトカインが大きく関与しており,術後のサイトカイン変動を検討することは病態を把握するうえで非常に有用である.侵襲初期において炎症性サイトカインが誘導されるが,それに引き続いて内因性の抗炎症反応が強力に発動されて術後免疫抑制を惹起する.したがって,免疫抑制状態に移行した段階での炎症性サイトカインの抑制は病態を悪化させる危険性がある.侵襲初期の過剰な炎症性サイトカインを抑制することが術前ステロイド投与の目的であり,その投与法には十分な注意を要するとともに,その特性を生かすためには可及的な術中出血の制御と手術時間の短縮および厳重な術中・術後管理が不可欠である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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