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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻7号

2002年07月発行

文献概要

特集 外科診療とステロイド療法

肝切除時の血行遮断とステロイド投与

著者: 緑川泰1 橋倉泰彦2 幕内雅敏1

所属機関: 1東京大学医学部肝胆膵外科 2信州大学医学部第1外科

ページ範囲:P.921 - P.924

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 肝切除および肝移植手術中における肝阻血は必須の手技である.しかし虚血後再灌流による肝組織微小循環障害にともない,炎症性サイトカイン,フリーラジカルの産生・放出による肝細胞傷害が生じ,その結果,術後肝再生障害,肝不全が起こりうることを念頭に周術期管理を行わなくてはならない.その対策として手術手技の向上のみならず,ステロイドやウリナスタチンの投与により術後に起こりうる合併症を回避する試みが,動物実験,臨床の場でもなされている.虚血後再灌流傷害とステロイド投与による抑制のメカニズムを理解し,副作用としての免疫抑制による感染を予防しながら,適切に肝切除術後の管理をすることが望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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