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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻7号

2002年07月発行

文献概要

特集 外科診療とステロイド療法

膵管狭細型自己免疫関連膵炎

著者: 原田信比古1 今泉俊秀1 羽鳥隆1 福田晃1 西野隆義2 土岐文武3 高崎健1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器外科 2東京女子医科大学消化器内科 3東京女子医科大学消化器放射線科

ページ範囲:P.945 - P.949

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 膵管狭細型慢性膵炎は主膵管のび漫性狭細化像を特徴とする膵炎で,近年自己免疫性膵炎との関連から注目を集めている.高齢者の男性に多く,高γグロブリン血症や自己抗体陽性例では自己免疫性要因の関与が示唆されている.組織学的にはリンパ球や形質細胞浸潤を伴った間質および膵管周囲の線維化と腺房の萎縮・脱落が特徴的な所見である.膵癌との鑑別診断にはCTのdelayed enhancement所見や細径カテーテルによるERCPが有用であるが,膵生検が必要な症例も少なくない.本症はステロイドの内服治療により画像所見や膵内外分泌機能の改善がみられるが,診断基準や治療指針など今後検討を要する課題も多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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