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文献概要
特集 外科診療とステロイド療法
緩和医療におけるステロイドの役割
著者: 池永昌之1
所属機関: 1淀川キリスト教病院ホスピス
ページ範囲:P.957 - P.961
文献購入ページに移動 末期がん患者においてはがん悪液質症候群という特殊な病態により,緩和困難な全身倦怠感や食欲不振が出現する.また,腫瘍やその周囲に出現する炎症や浮腫により,神経因性疼痛や消化管閉塞,気道閉塞などが出現することもある.これらの症状に対してステロイドは著明な効果を示し,さまざまな症状緩和に有用であるといわれている.
一方,ステロイドには消化性潰瘍や耐糖能障害,感染症の悪化などの副作用が報告されており,末期がん患者に対する使用が躊躇される場合も少なくない.これらの知見と患者の全身状態・生命予後を総合的に判断してステロイドを使用することが,末期がん患者のQOLを向日させるためには重要であると考えられる.
一方,ステロイドには消化性潰瘍や耐糖能障害,感染症の悪化などの副作用が報告されており,末期がん患者に対する使用が躊躇される場合も少なくない.これらの知見と患者の全身状態・生命予後を総合的に判断してステロイドを使用することが,末期がん患者のQOLを向日させるためには重要であると考えられる.
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