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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻7号

2002年07月発行

米国でのProbiem-Based Learning形式による外科研修

Problem-Based Conference(9)—スタンダードケア:重症多発外傷(その1)

著者: 町淳二1 児島邦明2

所属機関: 1ハワイ大学医学部外科 2順天堂大学医学部第2外科

ページ範囲:P.983 - P.997

文献概要

1 はじめに
 今回のproblem-based conferenceのテーマは,“スタンダードケア(standard care)”です,米国ではことに,スタンダードケアとか,スタンダードな診断や治療などということがよくいわれます.以前のカンファレンス〔例えばproblem-basedconference(4)〕でもたびたび触れてきましたが,スタンダードとは,これまでの臨床試験などによるエビデンスに基づいて確立している,そして皆のコンセンサスが得られているという意味です.したがって,スタンダードケアは1つの疾患や問題点に対して,時や場所を問わずにあらゆる人によって実践されるべきケアです.逆にいえば,スタンダードケアがなされなかった場合には,患者さんに対して医師の義務を果たさなかったことになり,米国などにおいてはこれが訴訟の原因になったりします.スタンダードケアは当然臨床の場において実践されるべきでありますし,学生の医学教育や研修医の卒後研修においても,このスタンダードケアを習得させることが特に大切です.Problem-based conferenceは,このスタンダードを学ばせるよい機会になります.
 一方,あらゆる疾患や問題点に対して,1つのスタンダードな診断法や治療方法が確立しているわけではありません.しかも新しいエビデンスに基づいて,スタンダードも時とともに変わり得ます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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