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文献詳細

雑誌文献

臨床外科57巻8号

2002年08月発行

特集 ヘルニア—最新の治療

欧米における鼠径部の筋膜層構造の知見

著者: 柵瀬信太郎1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.1033 - P.1042

文献概要

はじめに
 筆者も佐藤達夫先生の理論を応用した金谷誠一郎先生の見解に大賛成である.ただし,名称については筆者はanterior approachにより鼠径ヘルニア手術を行うことが多いので,以前から腹膜下筋膜を“腹膜前筋膜”と呼び,腎筋膜前葉に連続する筋膜を“腹膜前筋膜深葉”,腎筋膜後葉に連続する筋膜を“腹膜前筋膜浅葉”と呼んでいるので,ここでは筆者の名称を使用させていただく(表1)1)
 古くから欧米からも横筋筋膜と腹膜の間の筋膜構造に関して多くの異なった見解が報告され,またそれぞれ報告者が異なった名称の筋膜を指摘しているので紹介する.しかし,それらの筋膜はすべて性状が異なった筋膜であるのか,それとも同一と考えられるものもあるのか,いまだ不明な点は多い.また,それぞれの筋膜は佐藤先生の理論(筆者の2層の腹膜前筋膜)ではどの筋膜にあたるのかも不明であるので,これらの点を考察してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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