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文献概要
米国でのProbiem-Based Learning形式による外科研修
Problem-Based Conference(10)—スタンダードケア:重症多発外傷(その2)
著者: 町淳二1 児島邦明2
所属機関: 1ハワイ大学医学部外科 2順天堂大学医学部第2外科
ページ範囲:P.1125 - P.1139
文献購入ページに移動T(指導医):前回の重症多発外傷に対するスタンダードケアのproblem-based conferenceでは,米国での外傷マネージメントの背景とprehospital care,外傷の分類と重症度,救急室での初期のマネージメント(primary survey),初期蘇生とそのレスポンスの評価についてディスカッションしました.重症多発外傷の可能性のある患者さんのマネージメントを行う上で重要なポイントが4つほどあります.このうち,ATLSに則ったスタンダードケアを実践しミスや見逃しを回避すること,そして初期の処置に対してそのレスポンスを評価し,さらに継続的に対処していくことの重要性を前回のカンファレンスで学習しました.そのほかのポイントとして,外傷性ショックの迅速かつ適切な処置と,多発外傷での種々の問題点に対するプライオリティーのおき方があり,これらを含めて今回のディスカッションを行っていきます.
S(医学生):前回の患者さんは30歳の男性で,運転中に対向車に正面衝突し,10分後に救急室に来院し,明らかなショック状態でした.
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