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文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻1号

2003年01月発行

特集 外科における重症感染症とその対策

術後重症感染症への対応

術後重症呼吸器感染症への対応

著者: 村田厚夫1 樽井武彦1 井上哲也1 山口均1 山口芳裕1 島崎修次1

所属機関: 1杏林大学医学部救急医学

ページ範囲:P.37 - P.45

文献概要

 要旨:外科手術などの侵襲に対する生体反応をSIRS・CARSで捉える概念があるが,実際には損傷を受けた局所では「急性炎症」が起こっており,一方で全身は「抗炎症性」に傾いている.局所の炎症が全身に広がらないようにした,これも一種の生体防御反応かもしれない.異物(微生物)につねにさらされている肺は,高齢者における術後や重症患者に対する人工呼吸管理でダメージを受けやすい.それが術後急性肺障害やARDSの発症につながり,人工呼吸管理自体が長期化するとVAP(ventilator-associated pneumonia)や院内感染としての肺炎が起こる.

 呼吸管理だけでなく,侵襲に対する生体防御反応を修飾する新しい治療戦略としてのサイトカインモデュレーション,とくにG-CSFを用いた戦略が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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