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特集 外科における重症感染症とその対策 術後重症感染症への対応
術後重症耐性菌感染症とその対応
著者: 炭山嘉伸1 草地信也1
所属機関: 1東邦大学医学部外科学第三
ページ範囲:P.53 - P.59
文献購入ページに移動 要旨:耐性菌感染症への対応は,周術期の抗菌薬療法をトータルで考えて,「術後感染予防」なのか,「感染治療」なのかを明確に意識することがまず必要である.加えて,新しい抗菌薬ばかりを使用するのではなく,臨床症状や宿主である患者の全身状態を考慮して,なるべく古い薬剤から使用することが重要である.現在,問題となる耐性菌はMRS,VRSA,VRE,P.aeruginosa,B.fragilisであるが,リネゾリドや治験中の薬剤が存在するMRSA,VRSA,VREといったグラム陽性菌に比べて,グラム陰性桿菌は治療薬の選択に難渋することが多い.また,新しい試みとして,サイクリング療法が紹介されており,今後の検討が期待される.
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