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文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻11号

2003年10月発行

文献概要

特集 クリニカルパスによる外科医療の進歩 第Ⅰ部:クリニカルパス導入の実践

クリニカルパス導入の手順と戦略

著者: 須古博信1

所属機関: 1済生会熊本病院

ページ範囲:P.12 - P.17

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はじめに

 Critical path methodに由来するクリニカルパスは産業界においても医療界においても,「質」と「効率」という二律相反するものの解決策として編み出された,工程管理のマネジメントツールである.

 医療の分野においては人,物,金,情報を適正化,標準化,効率化し,診療の工程管理を行い,医療の質の保証を行っていくことに意義があり,更には病院経営のマネジメントツールとしても有用性が期待されている(図1).

 クリニカルパスは,「特定の疾病を持つ患者に対して,時間軸に治って行うべき診療,看護,検査,患者教育などの医療行為の集合を医療機関の資源を勘案し,期待する成果を明確にしたうえで標準化した医療管理手法である」と説明されてきたが,最近では,「医療チームが共同で作り上げた,患者のための最良の管理だと信ずるところを示した仮説」と定義されている1)

 以上の説明から理解できるように,クリニカルパスとは診療のアウトカムを日ごとに明示し,関連する専門職種が協働して医療サービスを行っていく工程表ともいえるクリニカルパス表と,それを作成→試用→評価→再作成を繰り返しながら医療の質の管理を行っていく一連のクリニカルパス活動のことを包括して表現しているものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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