icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻11号

2003年10月発行

特集 クリニカルパスによる外科医療の進歩

第Ⅰ部:クリニカルパス導入の実践 クリニカルパス作成の実例 6.下部消化管

大腸内視鏡下ポリペクトミーのクリニカルパス

著者: 山下幸孝1

所属機関: 1日本赤十字社和歌山医療センター消化器科

ページ範囲:P.179 - P.185

文献概要

はじめに

 近年各施設において医療の標準化と付随するさまざまな効果を期待して,クリニカルパス(以下,パス)が導入されている.

 当然のことながらパスは導入が目的ではなく,導入した後それが所期のとおりであるのかどうかが重要である.期待すべき効果が得られなければ改良するか,廃止することになる.

 部署,立場により期待するものはそれぞれ異なっている.患者の立場に立つと,見晴らしの良い入院計画が呈示されるのでおおむね好評のようであるが,最大公約数をとるため細かい個人差については目をつぶることになる.例えば安静度や食事制限など,万人が共通して十分に納得するものはおそらくないと思われる.

 医療現場のスタッフにとっては業務の効率化がなされるか否かが最も大きな問題点と思われる.

 消化器科はマススクリーニングの科であり,内視鏡,超音波検査などのルーチン業務が多く,またその対象者は病人とは限らず,すべての人でありうる.時間内にほとんどフリータイムのないのが一般的である.また時間外でも救急患者はひっきりなしに来院する.そのため,業務の効率化に対しては当然強いインセンティブが働く.

 このような状況の中ではパスは導入されやすい.それと他のコメディカルスタッフ,特に看護師に対するメリットもなければ頓挫してしまう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら