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文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻12号

2003年11月発行

特集 浸潤性膵管癌の診療をどうするか

膵癌のハイリスク群を考える

著者: 田中雅夫1 横畑和紀2 小川芳明3 筒信隆4 川本雅彦1 小林毅一郎1 許斐裕之1 竹田虎彦1 山口幸二1

所属機関: 1九州大学医学研究院臨床・腫瘍外科(第一外科) 2福岡赤十字病院外科 3KKR千早病院外科 4福岡赤十字病院糖尿病内科

ページ範囲:P.1463 - P.1467

文献概要

 膵癌も高リスク群を認識できれば早期診断が可能である.高リスク群には慢性膵炎,膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMT),糖尿病,遺伝性膵癌,遺伝性慢性膵炎,家族性大腸腺腫症,遺伝性異形成性母斑症候群などがある.

 糖尿病患者を一定の選別をかけてERCPによる検診を行うと,163例中12例(7.4%)に膵癌が診断された.発症後3年以上の3.8%に対し3年以内は13.7%に達した.IPMTでも切除64例に上皮内癌2例を含む膵癌が7例(11%)みられた.慢性膵炎も遺伝性・非遺伝性慢性膵炎とも膵癌が多いとされるが,長期間経過観察したが発生はなかったとの報告もある.より正確な高リスク群の選定が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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