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文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻12号

2003年11月発行

文献概要

特集 浸潤性膵管癌の診療をどうするか

ヘリカルCTとMRIによる診断

著者: 曹博信1 市川智章1 荒木力1

所属機関: 1山梨大学医学部放射線部

ページ範囲:P.1479 - P.1487

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 膵の画像診断でとくにCT,MRIについて述べる.空間分解能にすぐれたCT,コントラストにすぐれたMRI,なかでも主膵管の情報,液体成分の描出にすぐれたMRCPを含め,使い分けていくのが重要となる.膵癌は線維成分に富む乏血性硬性癌であるため,ダイナミックCTにおいて,正常膵実質が最もよく造影されるタイミングでは膵癌は低吸収域として描出され,遅延相では豊富な線維成分を反映して正常膵実質より高吸収域として描出される.

 膵癌の画像診断は,肺癌と同様に治療方針(手術適応の有無)のためのstagingがとても重要である.とくに前方・後方組織浸潤,脈管浸潤,リンパ節転移の有無については最近登場したMDCTによるMPRでの多断面方向からの診断が有用である.鑑別診断としては腫瘤形成性膵炎が最も重要であるが,他の疾患とあわせて簡単に鑑別を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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