文献詳細
臨床研究
乳癌腋窩リンパ節転移陽性例に対する術前化学療法後センチネルリンパ節生検
著者: 尾浦正二1 平井一成1 吉増達也1 粉川庸三1 西田宗弘1 佐々木理恵1 岡村吉隆1
所属機関: 1和歌山県立医科大学第1外科
ページ範囲:P.1667 - P.1670
文献概要
乳癌手術における腋窩リンパ節郭清の主たる意義が正確なstagingにあるとみなされるようになってからは,レベル3までの完全な腋窩リンパ節郭清の意義が疑問視されるようになってきた.それ故,リンパ節サンプリングが腋窩リンパ節郭清にとって代わる可能性が示唆される1)とともに,リンパ節サンプリングよりも更に客観性の高いセンチネルリンパ節(SLN)生検が注目を浴びるようになっている.しかしながら,SLN生検の適応は腋窩リンパ節転移の可能性の低い症例に限定されているのが実情である2,3).
今回,筆者らは腋窩リンパ節に転移を認め,術前化学療法(NAC)により腋窩リンパ節のdown-stagingが得られた症例に対してSLN生検を行ったので,少数例かつ短期結果ではあるものの,その初期成績を報告する.
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