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文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻2号

2003年02月発行

文献概要

特集 胆囊癌NOW

胆管拡張を伴わない膵胆管合流異常と胆囊癌―予防的手術は理論的か

著者: 高尾尊身1 今村博1 愛甲孝1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.151 - P.156

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 要旨:膵胆管合流異常症(以下,合流異常症)における予防的手術の適応に関して,胆道粘膜の前癌病変部とMUC1およびp53蛋白発現との関係を免疫組織学的に検討した.MUC1とp53蛋白は合流異常症例の癌部で高い発現率を示し,胆管拡張の有無にかかわらず胆囊粘膜の異型上皮部で正常上皮と炎症部に比べて有意に高い発現を認めた.また,胆管拡張例の胆管粘膜では異型上皮部にMUC1の高い発現を示したが,p53蛋白は陰性であった.一方,胆管非拡張例の胆管粘膜では非合流異常症例と同様にMUC1とp53蛋白はともに陰性であった.したがって,合流異常症では予防的手術は必須であるが,術式の選択として胆管拡張型では拡張胆管切除と胆囊切除を伴う分流手術が,非拡張型では胆管に異常がみられない限り胆囊切除で十分と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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