icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻2号

2003年02月発行

文献概要

特集 胆囊癌NOW

ss胆囊癌の治療をどうする―主として肝S4a,S5切除の立場から

著者: 木下壽文1 原雅雄1 大堂雅晴1 平城守1 今山裕康1 奥田康司1 青柳成明1 白水和雄1

所属機関: 1久留米大学医学部外科

ページ範囲:P.175 - P.180

文献購入ページに移動
 要旨:胆囊癌の術式の選択においては癌腫の壁深達度がきわめて重要である.ss胆囊癌(以下,ss癌)は早期癌と進行癌の中間の進行度と位置づけられ,治療法により成績向上が期待されている.ss癌以上では多彩な進展様式を示すためリンパ節転移,肝浸潤,肝十二指腸間膜浸潤の程度により術式を選択すべきである.胆囊癌における肝への進展様式は直接浸潤,リンパ行性転移,胆囊静脈を介する血行性転移などが関与している.ss癌の治療成績向上のためにはリンパ節郭清と肝切除範囲が問題である.当科では以前はss癌に対して肝床切除術(いわゆる胆囊床切除術)を基本としてきたが,治療成績の向上にはつながらず,またss癌の漿膜下浸潤増殖様式の検討や術後の肝床部再発の反省からss癌の肝切除範囲は十分なsurgical marginとしてS4a,S5切除が妥当であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?