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文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻3号

2003年03月発行

文献概要

特集 Q&A器械吻合・縫合のコツ

Q3 アンビルヘッド使用サイズの決め方のコツは?

著者: 河野浩二1 松本由朗1

所属機関: 1山梨大学医学部第1外科

ページ範囲:P.306 - P.306

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 基本的に,消化管吻合は内容の通過を容易にすべく可及的に大きくあるべきだと考えられている.例えば,胃全摘後の食道・空腸吻合を例にとると,自動吻合器のサイズ,すなわちアンビルヘッドのサイズを規定する因子は,いうまでもなくアンビルヘッドが通る食道口径と,本体が通る空腸口径である.また,最初にアンビルがうまく挿入できても,空腸側で本体が挿入できずサイズを変更した例が16%あったとの報告もある1)

 一般的な使用説明では,アンビルヘッド挿入側の腸管の口径をサイザーにより確認し,器械吻合器を選択するように勧められている.しかし,一般にサイザーは,最大径の部分が比較的長い円筒形であり,最近の自動吻合器のアンビルヘッドは最大径の部分が薄く,皿状の形態をとっているため,挿入を斜め方向に行えば,実際にはサイザー径より余裕を持って挿入できる.また,より口径の大きい吻合器の挿入のためのサイザーを用いたブジー操作は,腸管損傷のリスクがある.以上の点から,筆者らはサイザーをルーチンでは使用していない.また,もし利用するとしても,目的の口径より1サイズ細いサイザーで余裕を持って挿入し,その腸管口径のイメージをつかむのみとしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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